iPhoneのアップデートが進まない…その表示、実はよくある現象です
「バックグラウンドでアップデートを完了中」という表示がなかなか消えず、iPhoneの画面にずっと残ってしまう…。そんな状況に不安を覚える方も多いのではないでしょうか?
同じような悩みを抱えるユーザーは多く、SNSや掲示板にも「何日経っても消えない」「どう対処していいかわからない」という声が見られます。
ですが、焦る必要はありません。まずは落ち着いて、基本的な対処法から試してみましょう。
特に最初に確認すべきは、iPhoneの再起動と安定したネット環境の確保です。意外なほどこの2点だけで症状が改善するケースが多くあります。
本記事では、原因別にわかりやすく解説しつつ、有効な7つの対処法を順を追って紹介していきます。
iPhoneアップデートが終わらない主な原因とは?
iOSのアップデートが完了しない理由は、ひとつではありません。以下に代表的な原因とその仕組みを紹介します。
Appleサーバーの混雑や認証処理の遅延
新しいiOSのリリース直後は、世界中のユーザーが一斉にアップデートを試みるため、Appleのサーバーに大きな負荷がかかります。そのため、ダウンロードや認証(署名)処理が遅延することがあります。
iOS18以降でも同様の症状が多数報告されており、Apple公式から明確なアナウンスがない場合もあるため、少し時間を置くことが有効です。
インターネット接続が不安定
Wi-Fiやモバイル通信が不安定だと、アップデート中に通信が途切れ、正常に完了しないことがあります。特に公共Wi-Fiや圏外に近いエリアでは注意が必要です。
安定した通信環境、特に5GHz帯のWi-Fiを使うことが推奨されます。
ストレージ容量の不足やシステムキャッシュの影響
アップデートには通常2〜10GB程度の空き容量が必要です。ストレージが圧迫されている場合、途中で処理が停止してしまいます。
また、iOSの「システムデータ」に蓄積されたキャッシュが影響するケースもあるため、一度再起動してキャッシュをクリアするのが効果的です。
バッテリーの状態や低電力モード
バッテリー残量が50%を下回っていると、iOSのアップデートは進行しないようになっています。また、低電力モードがオンのままだとバックグラウンド処理が抑制されるため、アップデートが止まることがあります。
アップデートファイルの破損
通信が不安定な状況でダウンロードを試みると、アップデートファイルが破損することがあります。この場合、破損したデータを削除し、再度ダウンロードし直す必要があります。
消えないアップデート表示を解消する基本的な7つの対処法
以下の手順を、上から順番に実行していきましょう。
① iPhoneを再起動して処理をリフレッシュ
最初に行うべきは、iPhone本体の再起動です。これにより一時的なメモリエラーやバックグラウンドの不具合がリセットされ、アップデートが正常に再開されることがあります。
再起動後に「バックグラウンドでアップデートを完了中」の表示が消えるか確認しましょう。
② 信頼性の高いWi-Fiに接続し直す
通信環境が原因の可能性があるため、一度Wi-Fi接続を切ってから、安定した5GHz帯のWi-Fiに再接続してみてください。
さらに、「ネットワーク設定のリセット」(設定 → 一般 → リセット)も通信の不具合解消に効果があります。
③ ストレージを整理し、2GB以上の空き容量を確保
アップデートの途中で止まっている場合、容量不足の可能性があります。
不要なアプリや写真・動画を削除し、最低でも2GB以上の空き容量を作ってから再試行してください。
④ 低電力モードを解除し、充電状態で作業する
低電力モードではアップデートに必要な処理が制限されます。
設定から低電力モードをオフにし、iPhoneを充電しながら作業を行うと、処理がスムーズに進む場合があります。
⑤ アップデートファイルを削除して再ダウンロード
再起動や通信環境の改善でも効果が見られない場合、次に試したいのが「アップデートファイルの削除と再ダウンロード」です。以下の手順で進めましょう。
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設定アプリを開き、「一般」→「iPhoneストレージ」を選択します。
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表示されたリストの中から「iOS ○○」など、アップデート関連のファイルを探し、「アップデートを削除」をタップしてください。
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削除後に「設定」→「一般」→「ソフトウェア・アップデート」に戻り、最新のアップデートを再度ダウンロードします。
この作業により、破損していたアップデートファイルが消去され、改めて正常なデータを受信し直すことが可能になります。
ダウンロードが完了したら、再びインストール処理に進んでください。
アップデートが進まない場合の代替手段:PCを活用した更新・復元
上記の手順でも改善しない場合は、iPhone単体での修復に限界がある可能性があるため、パソコンを使った更新または復元を検討しましょう。
iTunesやFinder経由での修復方法
ステップ1:パソコンの準備
Windowsの場合は最新のiTunes、Macの場合はFinder(macOS Catalina以降)を起動します。
ステップ2:iPhoneを接続
iPhoneをLightningケーブルでパソコンに接続してください。
ステップ3:iPhoneを認識後に操作
iTunesまたはFinderでデバイスが認識されたら、「アップデート」もしくは「復元」のどちらかを選択します。
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アップデート:現在のデータを残したままiOSを上書きインストールします。
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復元:iPhoneを出荷時の状態に初期化します。事前にバックアップを取っていれば、あとで復元が可能です。
この方法ではネットワークトラブルなど、本体操作だけでは解決できない問題にも対処可能です。
🔔注意:復元を選んだ場合、iPhone内のすべてのデータが消去されます。作業前にiCloudやパソコンへのバックアップを必ず行ってください。
最終手段:DFUモードでiPhoneを完全初期化
すべての対策でも状況が変わらない場合は、「DFUモード(Device Firmware Update)」による完全リストアを検討してください。
DFUモードでは通常の復元では届かない深部のシステムにまでアクセスし、iOSを一からインストールし直せます。
大まかな手順:
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iPhoneをパソコンと接続し、iTunesまたはFinderを起動します。
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機種ごとの特定のボタン操作を行い、iPhoneの画面が完全に黒くなればDFUモードへ移行しています。
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パソコン画面に表示される「復元」の案内に従い、作業を進めてください。
⚠ 機種によって操作手順が異なるため、Apple公式サイトなどで正しい方法を事前に確認してください。
⚠ こちらもデータがすべて消去されるため、バックアップの取得は必須です。
サポート窓口を活用するタイミング
すべての手順を試しても改善しない場合は、Appleサポートや認定サービスプロバイダへの相談が最適です。
特に、「バックグラウンドでアップデートを完了中」の状態が1か月以上続いている場合、Appleでも公式対応が推奨されています。
保証期間中であれば無償の修理・交換が受けられる場合もあるため、早めにプロの手を借りましょう。
バックグラウンド更新の仕組みと注意点
そもそも「バックグラウンド更新」とは?
この機能は、アプリを閉じていても裏で情報を自動取得できる仕組みです。たとえば、ニュースや天気、メールの最新情報が通知されるのはこの機能のおかげです。
メリット
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アプリを開いた瞬間に最新の情報が表示される
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メールやチャットが即時通知される
デメリット
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バッテリーの消耗が早くなる
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通信量が知らぬ間に増える可能性がある
節電したいときのポイント
不要なアプリのバックグラウンド更新をオフにすることで、電力や通信データを節約できます。ただし通知が遅れる可能性があるため、重要なアプリだけは更新を許可する設定がおすすめです。
「設定」→「一般」→「Appのバックグラウンド更新」から、アプリごとに個別に管理できます。
よくある質問(FAQ)
Q. アップデート中に電源を切っても大丈夫?
A. 原則NGです。強制終了するとシステム破損の可能性があります。フリーズした場合は、強制再起動を試してください。
Q. SIMカードは必要?
A. アップデートはWi-Fi通信で行われるため、SIMカードがなくても実行可能です。ただし完了後は通信設定の確認のため、SIMを再挿入しましょう。
Q. モバイル回線だけでアップデートできる?
A. 可能ですが、通信量が非常に多くなるため、Wi-Fi接続が推奨されます。
最後に:冷静に段階を踏めば、解決できます
「バックグラウンドでアップデートを完了中」が止まったままでも、正しい順序で対応すればほとんどの場合、正常に戻せます。
再チェックポイント:
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再起動
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通信環境の見直し
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ストレージ空き容量の確保
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低電力モードの解除と充電
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アップデートファイルの削除&再取得
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パソコン経由での復元
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DFUモードでの初期化
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Appleサポートへの相談
これらの手順を冷静に一つずつ実行すれば、iPhoneのトラブルにも柔軟に対処できます。次回以降のアップデートでは、時間に余裕をもって、安定した環境で行うことを心がけましょう。